被せ物・差し歯・セラミックなどの人工歯は、天然歯と同じようにホワイトニング剤で白くなるものではありません。そのため、天然歯と人工歯が混在している状態で天然歯をホワイトニングすると、色の差が目立つことがあります。
しかし、「前歯に差し歯がある=ホワイトニングできない」という意味ではありません。SELFDUCKでは、天然歯をどこまで白くしたいのかを考えたうえで天然歯をホワイトニングし、色の変化を確認しながら、人工歯との色差が気になる場合は歯科医院で相談するという選択肢をご案内しています。人工歯の交換が必要か、いつ交換するか、どの材料にするか、保険診療・自費診療のどちらになるかは、歯科医師による診断・説明が必要な事項です。
被せ物・差し歯はホワイトニングで白くなる?
結論として、被せ物や差し歯などの人工歯には、天然歯と同じような漂白効果は期待できません。日本歯科医師会「お口のなんでも相談 ホワイトニング」でも、ホワイトニングは歯の表面を削るのではなく、ホワイトニング材の成分が歯の内部の着色物質に作用して歯の色調を明るくする処置とされており、天然歯を対象とした処置であることが前提になっています。セラミック、CAD/CAM冠、その他の補綴物・修復物については、具体的な対応が材料や状態によって異なりますが、基本的な考え方として「天然歯を対象とした漂白とは分けて考える」ことが大切です。なお、これは人工歯の色が絶対に一切変化しないという意味ではなく、天然歯を対象としたホワイトニング剤による漂白効果を期待するものではない、という趣旨です。医療ホワイトニングの仕組みについては医療ホワイトニングとは?美容ホワイトニングとの違い・効果・種類を解説、ホワイトニング全体の種類の比較についてはホワイトニングの種類を比較|医療・セルフの違いと自分に合う選び方で解説しています。
国民生活センター「国民生活」2024年7月号に掲載された「第9回 審美歯科(1)歯のホワイトニングの施術方法・注意点」(日本歯科審美学会編「歯科審美学」等を参考資料とする解説)でも、被せ物やブリッジ、入れ歯などの補綴装置の変色は、クリーニングでは改善することが困難な場合が多いとされています。そのような場合には、補綴装置を作り直して色調を改善する方法があるとされていますが、これは人工歯もホワイトニング剤で白くできるという意味ではありません。
なぜ天然歯だけ白くなって差し歯が残るの?

天然歯は、ホワイトニング剤の成分が歯の内部に浸透し、着色物質に作用することで色調が明るくなります。一方、セラミックやレジンなどの人工材料には、天然歯のような漂白反応は起こりません。そのため、天然歯の漂白と、人工歯(補綴装置)の色調改善は、そもそも別の方法として考える必要があります。細かな材料科学的な仕組みについてはこの記事では踏み込みませんが、「天然歯用の薬剤だから人工歯にも同じように効く」というものではないとご理解ください。黄ばみの原因を天然歯と人工歯に分けて考える視点については黄色い歯はホワイトニングで白くなる?黄ばみの原因と白くなりやすい歯・なりにくい歯を解説もあわせてご覧ください。
セラミックもホワイトニングでは白くならない?
セラミックについても、基本的には天然歯と同様の漂白対象としては考えません。既存のセラミックの色が希望と合わない場合は、歯科医院にご相談ください。なお、「交換すれば必ず希望の白さになる」とお約束できるものではなく、選べる色調や治療内容は歯の状態や治療方法によって異なります。
CAD/CAM冠もホワイトニングできる?
CAD/CAM冠についても同様に、天然歯の漂白とは分けて考えます。CAD/CAM冠の色調の選択肢や保険適用の範囲、交換の可否などは、材料・適用条件・医療機関によって異なるため、「保険だから白くできない」「色は3種類しかない」「必ず交換できる」といった全国一律の断定はできません。詳しくは歯科医師にご確認ください。
詰め物がある場合はどうなる?
天然歯部分の色が変化した結果、既存の詰め物などの修復物との色差が目立つ可能性があります。SELFDUCKでも、詰め物や差し歯だけ色が残ったように見えるケースを経験しています。ただし、その原因や交換の必要性について、SELFDUCKスタッフが診断することはありません。気になる場合は歯科医院にご相談ください。
神経のない歯だけ色が違う場合は?
神経を失った歯は、人工歯とはまた別の問題として扱われます。歯そのものの内部で変色が進んでいる場合があり、通常のホワイトニングとは異なる対応が必要になることがあります。この記事では人工歯を中心に扱っているため、神経のない歯の変色については深く触れませんが、気になる場合はまず歯科医院にご相談ください。
前歯に差し歯があってもホワイトニングできる?
差し歯が1本あるからといって、ホワイトニング自体ができないとは限りません。天然歯を白くするという選択肢自体は残っています。ただし、開始前に、人工歯との色差が出る可能性があることを理解しておくことが重要です。医療ホワイトニングを受けられない、または注意が必要なケースについては医療ホワイトニングができない人は?禁忌・注意が必要なケースを解説もあわせてご確認ください。
SELFDUCKにも、「差し歯も白くなりますか?」というご相談のほか、「差し歯って交換できるんですか?」「交換するとどのくらいかかりますか?」「保険と自費ではどう違いますか?」「どのタイミングで交換すればいいですか?」といったご質問をいただくことがあります。SELFDUCKスタッフは、交換の必要性、治療方法、材料、保険適用、費用を診断・決定することはなく、これらは歯科医院でご確認いただいています。
「差し歯があるから無理」とがっかりしなくていい
SELFDUCKでは、前歯に人工歯があるお客様にも、「人工歯そのものをホワイトニングで白くするわけではありませんが、周囲の天然歯を白くしたあと、色差が気になる場合には歯科医院で人工歯の色について相談する方法もあります」とご説明しています。「必ず交換できる」「必ず同じ色になる」とお約束するものではありませんが、差し歯があるからといって選択肢がなくなるわけではありません。
先にホワイトニング?先に差し歯・セラミックを交換?

この記事で特にお伝えしたいポイントの一つです。SELFDUCKでは、天然歯を希望する白さへ近づけたうえで、その色の変化を確認し、その色を踏まえて歯科医院で人工歯の色について相談するという流れを選択肢としてご案内しています。理由は、先に人工歯の色を決めたあとに周囲の天然歯をさらに白くすると、色差が生じる可能性があるためです。ホワイトニングにかかる回数や期間の目安については医療ホワイトニングは何回で白くなる?効果を感じる回数・頻度・期間を解説もご参考ください。
ただし、これが医学的に全員にとって唯一正しい順番、あるいは最も安全な方法であると述べているわけではありません。人工歯の状態や必要な治療内容によって順番は変わるため、最終的には歯科医師の判断を優先してください。
【実例】天然歯が白くなったあとCAD/CAM冠との色差が問題になったケース

SELFDUCKグループで実際に相談を受けた個別事例を紹介します。あるお客様は、天然歯をホワイトニングしたあと、既存のCAD/CAM冠との色差について歯科医院へ相談されました。その歯科医院からは、そのお客様の場合、当時の条件では希望する白さに近い色調を保険診療のCAD/CAM冠では選択できず、希望する色調へ近づけるには自費診療のセラミック等が選択肢となり、1本あたり約8万円という説明があったとのことです。
これは、一人のお客様・一つの歯科医院・その時点の治療条件における個別事例です。「CAD/CAM冠は3色しかない」「保険では白い歯にできない」「セラミックは全国一律8万円」「CAD/CAM冠は必ず自費交換になる」といった一般化はできません。費用・保険適用・材料・色調は、歯の状態や治療内容、医療機関によって異なります。
この事例からSELFDUCKが変えた説明
この実例を受けて、前歯に人工歯があるお客様には、開始前に、人工歯そのものは天然歯と同じようには漂白されないこと、天然歯が白くなると色差が目立つ可能性があること、人工歯の交換が可能か、希望する色調にできるか、保険診療か自費診療か、費用はどの程度かについて、必要に応じて事前にかかりつけ歯科等へ確認していただくようご案内しています。これはこの事例を受けたSELFDUCKの運用改善の一つです。
差し歯を交換するといくらかかる?
全国一律の価格をお伝えすることはできません。保険診療か自費診療か、使用する材料、歯の状態、治療内容、医療機関によって費用は異なります。SELFDUCKで把握している個別事例では約8万円/1本という説明があったケースがありましたが、これを相場として扱うことはできません。詳しい金額は、実際に治療を受ける歯科医院でご確認ください。
差し歯の交換は保険でできる?
これは歯の状態や治療内容などの条件によって異なります。SELFDUCKが保険適用の可否を判断することはありません。過去の個別事例をもとに全国共通のルールとして一般化することもできませんので、歯科医院でご確認ください。
ホワイトニング前に歯科医院で確認しておくといいこと
人工歯がある方は、ホワイトニングを始める前に、次のような点を歯科医院で確認しておくと安心です。
- 今入っている人工歯・修復物は何か
- ホワイトニング後に色差が出た場合の選択肢
- 交換できる状態か
- 希望する色調を選べるか
- 保険診療/自費診療の可能性
- 費用
- 交換する場合のタイミング
SELFDUCKでは、お客様の選択肢を整理するサポートは行いますが、診断、人工歯の交換判断、材料決定、保険適用判断、治療費決定、歯科治療そのものは行いません。スタッフが地域の歯科医院について一般的な情報をご案内する場合はありますが、最終的にどの歯科医院を受診するかはお客様ご自身にお選びいただいています。
SELFDUCK代表からのメッセージ|差し歯がある方へ
SELFDUCKの現場から

差し歯・被せ物とホワイトニングFAQ
A
差し歯などの人工歯は、天然歯と同じようにホワイトニング剤で白くなるものではありません。
A
セラミックについても、天然歯と同様の漂白対象としては考えません。色が気になる場合は歯科医院にご相談ください。
A
CAD/CAM冠も天然歯の漂白とは分けて考えます。色調の選択肢や交換の可否は治療条件によって異なるため、歯科医師にご確認ください。
A
天然歯部分の色が変化することで、既存の詰め物との色差が目立つ場合があります。気になる場合は歯科医院にご相談ください。
A
差し歯が1本あるからといって、ホワイトニングができないとは限りません。ただし、人工歯との色差が出る可能性を事前にご理解ください。
A
SELFDUCKでは、天然歯を白くしたあとに人工歯の色を相談する流れを選択肢としてご案内していますが、これが全員にとって唯一正しい順番とは限りません。歯科医師の判断を優先してください。
A
交換できるかどうかは歯の状態や治療内容によって異なります。SELFDUCKでは判断できないため、歯科医院にご確認ください。
A
全国一律の金額はお伝えできません。材料や治療内容、医療機関によって異なるため、治療を受ける歯科医院でご確認ください。
A
条件によって異なります。SELFDUCKでは保険適用の可否を判断できないため、歯科医院にご確認ください。
A
人工歯とは別の問題として、歯そのものの変色に別の対応が必要になる場合があります。気になる場合はまず歯科医院にご相談ください。
まとめ|人工歯があっても、天然歯と分けて考える
- 被せ物や差し歯は天然歯と同じ漂白対象ではない
- 天然歯だけ白くなると人工歯との色差が目立つ場合がある
- 前歯に人工歯があるからホワイトニング自体ができないとは限らない
- 天然歯を白くした後に人工歯の色を歯科医院で相談する方法もある
- 交換の可否、材料、保険適用、費用は歯科医院で確認する
- SELFDUCKでは過去のCAD/CAM冠事例を受けて事前説明を強化した
- 人工歯がある人ほど開始前の確認が重要
人工歯があることは、ホワイトニングを諦める理由にはなりません。天然歯と人工歯を分けて考えながら、気になる点は歯科医院に確認し、納得したうえで進めていただければと思います。
出典
- 日本歯科医師会「お口のなんでも相談 ホワイトニング」 https://www.jda.or.jp/consultation/vol-36.html
- 国民生活センター「国民生活」2024年7月号 第9回 審美歯科(1)歯のホワイトニングの施術方法・注意点(日本歯科審美学会編『歯科審美学』、日本歯科審美学会ホワイトニングコーディネーター講習会テキスト等を参考資料とする) https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202407_07.pdf
- 一般社団法人日本歯科審美学会「歯のホワイトニングについて」 https://www.jdshinbi.net/information/whitening.php