ホワイトニングの「シェードガイド」とは?

ホワイトニングをしていると、
「最初はS30で、今日はS10でした」
「B1まで白くなった」
「○段階白くなった」
といった表現を目にすることがあります。
この歯の色を確認するために使われる道具の一つが、シェードガイドです。
シェードガイドには、色の異なる人工歯の見本が並んでいます。
実際の歯の横に近い色の見本を合わせることで、現在の歯の色やホワイトニング前後の変化を確認します。
歯科領域でも歯の色を目視評価する方法として使用されていますが、シェードガイドによる判定は完全な機械測定ではありません。
そのため、「歯の色を確認するための目安」として理解するのが大切です。
A1・B1などの数字とアルファベットは何?
歯科でよく知られているシェードガイドの一つに、VITA classical A1-D4があります。
VITAのシェードガイドでは、A・B・C・Dというグループと数字を組み合わせて歯の色を表します。
たとえばA1、A2、A3、B1、B2などです。
ここで注意したいのは、数字だけを見て「1だから必ず一番白い」「4だから一番黄色い」と単純に判断できるものではないということです。
また、ホワイトニング後の明るい歯の評価を目的として設計された別のシェードガイドもあります。
つまり、「A1」「B1」「S2」などの表記は、すべて同じ一つの物差しではありません。
SELFDUCKで使っている「S2〜S40」とは?

SELFDUCKでは、S2からS40まで2刻みで並んだ20段階のシェードガイドを使用しています。
並びは、
S2 → S4 → S6 → S8 → …… → S36 → S38 → S40
となっています。
今回掲載している写真は、SELFDUCK店舗で実際に使用しているシェードガイドの実物写真です。

SELFDUCK店舗で実際に使用しているシェードガイド。ホワイトニング前後の歯の色を確認する際に使用しています。
SELFDUCKで使用しているガイドでは、S2側が白い色、S40側が黄色みの強い色です。
ただし、ここは非常に重要です。
SELFDUCKで現在使用しているシェードガイドはメーカー・製品名を特定できていないため、
「このS2はVITAの○○と同じ」
「S10はA1と同じ」
といった換算は行っていません。
あくまで、SELFDUCK店舗内で施術前後の色の変化を比較するための指標として使用しています。
S2〜S40とA1・B1は換算できる?
少なくともSELFDUCKで使用しているS2〜S40のガイドについて、A1・B1などへ正確に換算できるとは考えていません。
シェードガイドには複数の種類があり、それぞれ色の構成や目的が異なるためです。
そのため、
「SELFDUCKでS4だからVITAではB1」
といった対応表を独自に作ることはしません。
インターネット上にはさまざまなシェード表や換算表がありますが、使用している製品が異なる場合、その数字をそのまま比較することは避けた方がよいでしょう。
SELFDUCKでは、同じシェードガイドを使い、できるだけ同じ条件で施術前後を比較することを重視しています。
SELFDUCKでは施術前と施術後の両方で測定する

SELFDUCKでは、ホワイトニングの施術前と施術後に毎回シェードを確認しています。
確認する範囲は、ホワイトニングの対象として見ている上8本・下8本の計16本です。
その中でも、前歯、前歯のサイド、犬歯などを見ながら、特に色が濃く見える部分を重点的に確認しています。
また、前歯と犬歯は同じ色とは限らないため、別々に記録しています。
たとえば、
前歯:S30
犬歯:S34
のように記録し、施術後にそれぞれどのように変化したかを確認します。
SELFDUCKの現場から

シェードガイドはどうやって歯に合わせる?
SELFDUCKでは、スタッフがシェードガイドを実際の歯の横に近づけ、目視で最も近い色を確認しています。
そしてスタッフだけで数字を記録するのではなく、お客様にも鏡を見てもらいながら一緒に確認します。
「施術前はこの色でした」
「施術後はこちらに近くなりました」
と実際の見本を比較することで、施術前後の変化を確認しやすくなります。
一方、目視によるシェード判定には限界があります。
研究でも、視覚的なシェード選択は観察者や測定条件の影響を受けることが知られており、機器を使った測色と必ずしも同じ結果になるわけではありません。
そのためSELFDUCKでも、シェード番号を絶対的な測定値としては扱っていません。
照明が違うと歯の色も違って見える?

歯の色を目で比較するときは、照明などの観察条件も影響します。
同じ歯でも、照明や周囲の環境が変われば見え方が変わる可能性があります。
そのためSELFDUCKでは、施術前と施術後で比較条件が大きく変わらないよう、同じ店舗・同じ場所・同じ照明条件で確認しています。
それでも人の目による評価である以上、完全な測色機器と同じ精度になるわけではありません。
重要なのは、
「S10という数字そのもの」だけを見るのではなく、できるだけ同じ条件で施術前後を比較すること
です。
「○段階白くなった」はどう考えればいい?
ホワイトニングでは「○段階白くなった」という表現もよく使われます。
しかし、ここでも使用しているシェードガイドを確認することが重要です。
SELFDUCKのS2〜S40は2刻みで20個の色見本が並んでいます。
そのため、たとえばS30からS10へ変化した場合でも、単純に「20段階白くなった」とは表現しません。
S30とS10はガイド上の番号であり、数字の差そのものが歯の色差を均等に表しているとは限らないためです。
SELFDUCKでは、
「施術前はS30付近、施術後はS10付近」
というように、実際に確認したシェード番号をそのまま伝える方法を基本にしています。
前歯と犬歯でシェードが違うこともある
歯は口の中ですべて同じ色に見えるとは限りません。
SELFDUCKでも、前歯より犬歯の方が黄色く見える方を実際に確認しています。
たとえば来店時に、
前歯:S30前後
犬歯:S34前後
というケースがあります。
そのためSELFDUCKでは、前歯だけを測って「全体がこの色」とするのではなく、色の濃い部分も確認しながら記録しています。
犬歯の黄ばみについては、犬歯だけ黄色いのはなぜ?で詳しく解説しています。
シェードが変わるとお客様自身も変化を実感しやすい
ホワイトニング後に鏡だけを見ても、
「白くなった気はするけれど、どのくらい変わったのか分からない」
ということがあります。
そこで施術前に確認したシェードと施術後のシェードを並べて比較すると、変化を確認しやすくなります。
SELFDUCKでも、施術後に一緒にシェードを確認した際、
「結構白くなりましたね」
「こんなに白くなるんですか」
といった反応をいただくことがあります。
SELFDUCKの現場から

シェードガイドで一番白い色を目指す必要はない
シェードガイドを使うと、
「一番白いところまで行きたい」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、ホワイトニングのゴールは必ずしもシェードガイドの最も白い色ではありません。
SELFDUCKでは、施術前後のシェードと実際の口元を一緒に確認し、
「このくらいの自然な白さがいい」
と本人が満足したタイミングを一つのゴールにしています。
どこまで白くなるのか、SELFDUCKで実際にS30〜32付近からS6〜8付近まで変化したケースについては、ホワイトニングでどこまで白くなる?で詳しく紹介しています。
よくある質問
A
歯の色を比較するために、異なる色の歯の見本を並べたものです。ホワイトニング前後の色の変化を確認する際にも使用されます。
A
単純にアルファベットや数字だけで白さを判断するのではなく、使用しているシェードガイドの体系を確認する必要があります。VITA classical A1-D4ではA〜Dが異なる色系統を表しています。
A
同じとは判断していません。SELFDUCKで使用しているS2〜S40のシェードガイドはメーカー・製品名を特定できていないため、VITAなど他のシェードガイドとの換算は行っていません。
A
いいえ。数字の差をそのまま段階数として扱うことはしていません。SELFDUCKでは「S40付近からS20付近へ変化した」という形で記録・説明します。
A
歯の色を比較するための有用な方法ですが、目視判定は照明や観察者などの影響を受ける可能性があります。そのため、絶対的な測定値ではなく変化を見るための目安として扱うのが適切です。
A
施術前と施術後に毎回確認しています。同じ場所・照明条件で、前歯や犬歯などを確認し、お客様にも鏡を見てもらいながらフィードバックしています。
まとめ|シェード番号だけではなく「同じ条件で変化を見る」
シェードガイドは、ホワイトニング前後の歯の色を比較するために役立つ道具です。
ただし、すべてのシェードガイドが同じ尺度ではありません。
SELFDUCKではS2〜S40の20段階のガイドを使用していますが、A1・B1など別のシェードガイドとの独自換算は行っていません。
また、SELFDUCKでは施術前後に毎回、同じ場所・照明条件で前歯や犬歯などを確認し、お客様にも鏡で一緒に見てもらっています。
大切なのは、
「数字をどこまで小さくできるか」ではなく、同じ条件で変化を確認し、自分が満足できる白さを見つけること
です。
出典
- VITA Zahnfabrik. VITA classical A1-D4 shade guide(公式製品ページ) https://www.vita-zahnfabrik.com/en/VITA-classical-A1-D4-shade-guide-39699,27568.html
- Browning WD. Use of shade guides for color measurement in tooth-bleaching studies. J Esthet Restor Dent. 2003;15 Suppl 1:S13-20. PMID: 15000900. DOI: 10.1111/j.1708-8240.2003.tb00314.x https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15000900/
- Paravina RD, Johnston WM, Powers JM. New shade guide for evaluation of tooth whitening–colorimetric study. J Esthet Restor Dent. 2007;19(5):276-283. PMID: 17877628. DOI: 10.1111/j.1708-8240.2007.00118_1.x https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17877628/
- Chu SJ, Trushkowsky RD, Paravina RD. Dental color matching instruments and systems. Review of clinical and research aspects. J Dent. 2010;38 Suppl 2:e2-e16. PMID: 20621154. DOI: 10.1016/j.jdent.2010.07.001 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20621154/