「矯正中だけど歯の黄ばみも気になる」「矯正が終わるまで、あと数年ホワイトニングできないのだろうか」——そんな悩みを持つ方は少なくありません。ワイヤー矯正やマウスピース矯正でアタッチメントを付けている場合、「外したらそこだけ色が違うのでは」と不安に感じる方もいます。
SELFDUCKでも実際に、表側ワイヤー矯正、裏側ワイヤー矯正、マウスピース矯正、アタッチメント付きの装置を使用しているお客様から相談を受けています。矯正中のホワイトニングは、装置の種類や歯・歯肉の状態によって判断が分かれるため、「矯正中は一律にできる」「一律にできない」と決めつけず、装置の種類とかかりつけの歯科医師・矯正歯科医の判断を確認することが大切です。ホワイトニングの方法自体の比較についてはホワイトニングの種類を比較|医療・セルフの違いと自分に合う選び方もあわせてご覧ください。
矯正中でもホワイトニングできる?

結論から言うと、矯正中のホワイトニングを一律に「できる」「できない」と決めることはできません。矯正装置の種類、アタッチメントの有無、歯や歯肉の状態、使用する漂白方法、矯正治療の進行状況などによって判断が異なるためです。
2025年に公表されたシステマティックレビューでは、固定式矯正装置(ブラケット・ワイヤー)を装着した患者における歯の漂白について、既存研究が検討されています。最終的に3件の研究が質的分析の対象となり、8%・10%の過酸化水素を1日45分・10日間使用するホームブリーチングでは、固定式矯正装置を装着した状態でも漂白効果が確認されています。一方、38%の過酸化水素を用いたオフィスブリーチングを検討した研究では、固定式矯正装置が漂白の結果に影響したことも報告されています。
また2023年のランダム化比較試験では、18〜40歳の30名を、矯正装置のみ、漂白のみ、矯正装置+漂白の3群に分けて評価したところ、35%の過酸化水素を使用した漂白によって炎症の指標に有意な悪化は見られなかった一方、矯正装置がある状態での漂白は、装置がない状態での漂白と比べて効果がやや低かったと報告されています。ホワイトニングに伴う知覚過敏やしみる感覚そのものについては医療ホワイトニングは痛い?しみる原因・知覚過敏が出たときの対処法を解説で解説しています。
これらの研究で使用されている過酸化水素の濃度や方法は、SELFDUCKで使用している過酸化水素9%・LED照射という条件とは異なります。そのため、これらの研究をそのまま根拠に「SELFDUCKでも矯正中なら問題なくホワイトニングできる」と判断することはできません。研究数自体も限られているため、装置の種類・使用する薬剤・方法・条件によって結果が異なる可能性がある、という位置付けで捉えていただくのが実情に近いと考えています。
そのため、矯正中のホワイトニングを検討する場合は自己判断せず、まず矯正を担当している歯科医師・矯正歯科医へ確認することをおすすめします。医療ホワイトニングを希望する場合は、処方・診療を担当する医療機関の判断にも従う必要があります。矯正の有無にかかわらず、そもそも医療ホワイトニングを受けられない、または注意が必要なケースについては医療ホワイトニングができない人は?禁忌・注意が必要なケースを解説でも詳しく解説しています。
表側ワイヤー矯正中はホワイトニングできる?
SELFDUCKでは現在、表側にワイヤーが付いているタイプの矯正中のお客様には、基本的に施術していません。これは、全国的・医学的に「絶対に禁忌である」という意味ではなく、SELFDUCKの現在の運用方針です。
実際に、歯科医師から施術を見送るよう判断が出たケースもあります。ブラケットやワイヤーで歯の表面の一部が覆われているため、漂白の結果が歯面全体で均一にならない可能性なども考慮しています。ただし、「必ず色ムラになる」と断定しているわけではなく、装置がある状態での漂白結果に関する研究自体が限られていることも踏まえた、現時点での運用です。ホワイトニング全般のデメリット・リスクについては医療ホワイトニングのデメリット・リスクは?後悔しないための注意点を解説もあわせてご覧ください。
裏側ワイヤー矯正中ならホワイトニングできる?
SELFDUCKでは、裏側にワイヤーが付いているタイプの矯正中のお客様に、実際に対応したケースがあります。ただし、「裏側矯正なら誰でもできる」というわけではありません。
対応した実例は、かかりつけの歯科医師・矯正歯科医に確認したうえで、SELFDUCKの医療ホワイトニングの場合は提携医療機関の確認・指示にも基づいて行ったものです。表側の歯面が露出していることだけを理由に、安全性を保証しているわけではありません。
マウスピース矯正中でもホワイトニングできる?
マウスピース矯正は装置を取り外せることが特徴ですが、「取り外せること」と「ホワイトニングができるかどうか」は同じ話ではありません。アタッチメントの有無や、現在の治療の進行状況なども確認する必要があります。
SELFDUCKでは、アタッチメントが付いている場合は、現在基本的に積極的な施術のご案内はしていません。
アタッチメント付きでもホワイトニングできる?
SELFDUCKでは、アタッチメントが付いている場合、基本的には積極的にはおすすめしていません。
ただし、かかりつけの歯科医師・矯正歯科医、必要に応じて提携医療機関へ確認し、色差が生じる可能性などのリスクについて説明したうえで対応した実例はあります。したがって、「アタッチメント付き=絶対にできない」わけでも、「歯科医師に聞けば必ずできる」わけでもありません。
SELFDUCKでは矯正装置によってどう対応している?

これまでの内容を、SELFDUCKの現在の対応として表にまとめます。
| 矯正装置 | SELFDUCKの現在の対応 |
|---|---|
| 表側ワイヤー | 現在基本的に施術していない |
| 裏側ワイヤー | 歯科医師等へ確認したうえで対応した実例あり |
| マウスピース+アタッチメント | 基本的には積極案内しないが、歯科医師確認後に対応した実例あり |
| 矯正終了後 | 歯の状態・色差を確認してホワイトニングを検討可能 |
これはSELFDUCKの現在の運用であり、すべての医療機関・すべてのホワイトニング方法に共通する医学的基準ではありません。
アタッチメントを外したあと色ムラが出ることはある?
SELFDUCKでは実際に、アタッチメントを外したあと、周囲の歯面との色差が見られたお客様がいます。その後、ホワイトニングを行い、色差が目立ちにくくなった実例もあります。
ただし、「ホワイトニングをすれば必ず色ムラが消える」わけではなく、「アタッチメントが色ムラの唯一の原因」というわけでもありません。あくまで個別の事例としてご理解ください。被せ物や差し歯など人工歯がある場合の色の違いについては被せ物・差し歯はホワイトニングで白くなる?セラミック・CAD/CAM冠との色の違いを解説でも解説しています。
【実例】矯正後の色差がホワイトニングで目立ちにくくなったケース

個人が特定されない範囲で、実例を紹介します。マウスピース矯正でアタッチメントを使用していたお客様は、アタッチメントを取り外したあと、歯面に色差が見られました。その後ホワイトニングを実施したところ、SELFDUCKで確認できた範囲では色差が目立ちにくくなりました。
回数・期間・シェード値など、具体的な数値はお客様から提供されていないため、本記事では作成していません。また、Before/Afterの写真についても実物が提供されていないため掲載していません。
矯正とホワイトニングはどっちが先?
これも一律の正解があるわけではありません。矯正治療が必要な場合、治療計画そのものは矯正歯科医・歯科医師の判断を優先してください。SELFDUCKには実際に、「先にホワイトニングするか」「矯正を終えてから白くするか」で迷うお客様がいます。
矯正が終わってからホワイトニングするメリット
装置を外した状態であれば、歯面全体の色を確認しやすくなります。矯正終了後に色差や着色が気になる場合には、そのタイミングでホワイトニングを検討することもできます。ただし、矯正終了直後からいつホワイトニングができるかは、担当の歯科医師に確認してください。そもそも歯が黄ばんで見える原因については黄色い歯はホワイトニングで白くなる?黄ばみの原因と白くなりやすい歯・なりにくい歯を解説で解説しています。
先にホワイトニングを考える人もいる
SELFDUCKには、歯並びと歯の色の両方が気になっているものの、長期間の矯正治療を始めるかどうか迷っている方もいます。ホワイトニングによって歯並びそのものが改善することはありません。ただし、SELFDUCKの接客経験の範囲では、歯の色が整うことで「口元全体の見た目の印象が変わった」と感じる方もいます。
そのため、「自分が本当に気になっているのは歯並びなのか、歯の色なのか」を整理してみることも、一つの考え方です。ただし、「歯並びがそこまで悪くなければ矯正は不要」「矯正よりも先にホワイトニングしたほうがいい」という意味ではありません。矯正治療の必要性は歯科医師が判断する事項です。
矯正とホワイトニング、無理なく続けられる方法を考える
SELFDUCKの現場では、矯正治療を途中で中断した経験がある方や、長期間の治療を負担に感じている方から相談を受けることもあります。ただし、「矯正は数年間かかる」「多くの人が途中で中断する」と一般化することはできません。治療期間は症例や方法によって異なります。ホワイトニングは、矯正治療の代わりになるものではありません。
矯正中に医療ホワイトニングを希望する場合
SELFDUCKでは、矯正中に医療ホワイトニングを希望される場合、かかりつけの歯科医師・矯正歯科医に加えて、医療ホワイトニングを担当する提携医療機関への確認を重視しています。医療ホワイトニングの仕組み自体については医療ホワイトニングとは?美容ホワイトニングとの違い・効果・種類を解説で解説しています。SELFDUCKスタッフが、矯正装置の安全性、歯の状態、施術の可否を医学的に診断することはありません。提携医療機関の名称をご案内する場合も、あくまで「その医療機関の診療・判断による」という位置づけです。
SELFDUCK代表からのメッセージ|矯正中の方へ
SELFDUCKの現場から

矯正中のホワイトニングFAQ
A
装置の種類や歯・歯肉の状態によって異なります。まずは矯正を担当している歯科医師・矯正歯科医にご確認ください。
A
SELFDUCKでは現在、表側ワイヤー矯正中の方には基本的に施術していません。全国共通の医学的な禁忌という意味ではなく、SELFDUCKの現在の運用です。
A
SELFDUCKでは、歯科医師等へ確認したうえで対応した実例があります。ただし、裏側矯正であれば誰でもできるという意味ではありません。
A
アタッチメントの有無や治療状況によって異なります。アタッチメントが付いている場合、SELFDUCKでは基本的には積極的な施術のご案内はしていません。
A
SELFDUCKでは基本的には積極的にはおすすめしていませんが、歯科医師へ確認したうえで対応した実例はあります。
A
SELFDUCKでは、アタッチメントを外したあとに周囲との色差が見られた実例があります。すべてのケースで生じるとは限りません。
A
SELFDUCKでは、ホワイトニングによって色差が目立ちにくくなった実例がありますが、必ず改善することを保証するものではありません。
A
一律の正解はありません。矯正治療の計画は歯科医師・矯正歯科医の判断を優先し、そのうえでホワイトニングのタイミングを検討してください。
A
いつから可能かは歯の状態や治療内容によって異なるため、担当の歯科医師にご確認ください。
A
まず矯正を担当している歯科医師・矯正歯科医にご相談ください。医療ホワイトニングを行う場合は、担当する医療機関の確認・指示にも従う必要があります。
まとめ|矯正中は装置の種類と歯科医師の判断を確認しよう
- 矯正中でも漂白効果を確認した研究はある
- ただし装置・漂白方法等によって条件が異なる
- SELFDUCKでは表側ワイヤーは現在基本的に施術していない
- 裏側ワイヤーでは歯科医師確認後の対応実例がある
- アタッチメント付きは基本的に積極案内せず、確認後に対応した実例はある
- アタッチメント除去後の色差が目立ちにくくなった実例もある
- ホワイトニングは歯並びを治療するものではない
- 矯正治療の必要性やホワイトニングのタイミングは歯科医師の判断を優先する
矯正中であることは、ホワイトニングを諦める理由にも、無理に急ぐ理由にもなりません。まずは装置の種類を確認し、かかりつけの歯科医師・矯正歯科医と相談しながら、ご自身に合ったタイミングを整理していただければと思います。
出典
- Lizarelli GTC, Manente R, Souza-Gabriel A, Corona SAM. Effect of tooth bleaching in patients with fixed orthodontic appliances: A systematic review. Dent Med Probl. 2025 Mar-Apr;62(2):343-350. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40183366/
- Barbosa EGP, et al. Inflammatory parameters and color alterations of dental bleaching in patients wearing fixed orthodontic appliance: a randomized clinical trial. BMC Oral Health. 2023 Aug 28;23(1):602. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37641077/
- Boccuzzi M, et al. Effect of bleaching treatments on the adhesion of orthodontic brackets: a systematic review. BMC Oral Health. 2023 Oct 13;23(1):758. DOI: 10.1186/s12903-023-03418-9 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37833672/